震災から約五年半。待ちに待った日だった。
荷物を運び終え掃除をしていると、この家に来た時の事を思い出した。
生きているのが辛くてしょうがなくて、終わりの無いトンネルを歩いている様だった。
暗くて、じめじめしていて、一人ぼっちみたいだった。
そんな自分をいつも見守って、励まし続けてくれた友人達と音楽に感謝したい。
「何も実らなかったなんて、悲しい言葉だよ」山口隆が
「辛い事、苦しい、悔しい事は沢山あったけど、無駄な事なんて一つもなかった」あ~ちゃんが
「ここは天国じゃないんだ。かと言って地獄でもない。いい奴ばかりじゃないけど、悪い奴ばかりでもない。」ブルーハーツが
辛くてむしゃくしゃしてどうしようもない時、よく音楽を聴きながら夜の道を無心に走っていた。
音楽はいつも自分に味方してくれる。
今はそんな自分が嘘だったみたいに毎日が楽しい。
「人生のオールはいつだって自分が握っているのよ」
これは私の尊敬するヨガの先生がくれた言葉だ。
言われた時は、そんな訳ないと思った。
でも違った。誰かを憎んで、例えその人が不幸になっても、自分は幸せにはなれないんだ。
そんな当たり前の事に当時は気付かなかった。
この歌を聴いた時、細美さんが
「今だけでいい、自分じゃない誰かに祈って!!」
と言った。
その言葉に無性に感動した。
なんて美しいんだろうと思った。
祈ったって何も変わらないけれど、誰かが自分の為に祈ってくれていたら
嬉しいし、前を向こうって思うよね。
頑張れない事も沢山あったけれど、いつも前は向いていたい。
私の進む道に、故郷へ帰る道はなくても、進んできた道を辿れば、必ずそこに着くのだから。